飽くなき探求心と実行力
時代にフィットした農業経営
La.Aichi Farm
神田 健二さん・美佐さん
豊橋市西七根町
農園名は「ライチ」と「愛知」から「La.Aichi Farm」と名付けた。愛知や豊橋の味になることを目指し、日々の勉強と情報収集を欠かさない。「こうした時間が今はとても楽しい」という健二さんの熱い想いと追求する時間がすべての美味しさに繋がる。
インスタグラム＠_farm.melone_
HP：https://www.tabechoku.com/producers/24334
「国産の本当においしいものを食べてみたい。そして皆さんにも食べてもらいたい」から全ては始まった、神田さんご夫婦に話を聞いた。
豊橋の南部地域にあたる西七根町は、起伏ある畑が広がり、すぐ南側は太平洋がせまりミネラル分を含む潮風が吹き抜ける。この地域で、ライチ（レイシ）をはじめとした熱帯果樹や青パパイヤ、キャベツ・玉ねぎを栽培している神田健二さんと美佐さん。
先々代は、海が近いため漁業と農業を半々で営んでいた。当時は1軒に1隻の船を所有していたそう。先代は給食などの牛乳を搾乳する酪農をやり始めた。その後、時代の流れもあり、酪農から露地栽培の農業へゆっくりと移行していった。
健二さんは高校卒業後、建築関係の会社に就職。サラリーマンを経て、2007年に農業の世界へ入り、跡を継いだ。現在は、数種類の品種を時期をずらしながら、8月下旬から植え付けをはじめ10月中旬から5月中旬までキャベツを主に、ほかに玉ねぎと、夫婦二人三脚で栽培を行っている。
しかし6～7年程前から、キャベツの先行き、ここ最近の異常な気候変動、キャベツと玉ねぎの栽培以外の期間となる夏に、何か育てれるものはないかと、新たな栽培作物の道を探り始めた。
そのなか、出会ったのが国産ライチだった。「自分が知っていたひと昔のライチは、バイキングで食べた輸入された冷凍のライチ。初めて国産のライチを食べた時、プリプリした食感に、みずみずしいさわやかな甘さの美味しさに驚いた。これを作りたいと思った」と健二さんに衝撃が走った。
それからはライチの情報を得るためインターネットからの情報集を中心に行い、国内には栽培している県があることを知り、産地である沖縄へ足を運んだ。同じ頃に青パパイヤとも出会う。昨今の健康志向もあり注目の作物であるため、じっくり育苗から挑戦することに。健二さんは夢中になり、ハウス栽培に着手した。
訪れた知多で手に入れたライチの2年物の苗木は、それから2年半後の今年、販売できることに成功。青パパイヤも試行錯誤の上、無事、実を付けた。露地栽培が多いが、ハウスでは数年同じ樹で作り続けれるそう。ハウスの中は、まるで試験場のようにさまざまな品種や苗木がそろい、健二さんの行き届いた管理がうかがえる。青パパイヤと熱帯果樹は共に栽培するのに相性も良い。「ただ、霜に弱いため寒い時期には暖房を入れたり、夏の暑さには生育環境を整え人間が合わせるようにしている」と本物の味を届けるために最善を尽くす。「地産地消は大切と思います。消毒をしないで新鮮な状態で届けれるから」と語る。
今後は全体的に量を増やし、新しい品種にも楽しみながら挑戦をし続けていきたいと健二さんは語る。
【編集】健二さんの追求する情熱に感動。そして、そっと寄り添う美佐さんの姿が印象的です。
