2021年3月 旬のしずく~地産地消推進隊~

syun_topbar渥美茶継承と
消えない挑戦精神

田原市野田町で代々お茶畑を受け継ぎつつ、時代の流れに沿う新たなことに挑戦し続けている河合さんにお聞きした。

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河合製茶工場
河合 陽子さん

知多から田原市へ嫁ぎ、お茶、野菜、加工を手掛ける。河合さんのお茶は、気候や土壌の恵みを受け、甘みがあり渋みの少ない緑濃いお茶。フレーバーティーは地元の農産物を使うのがこだわり。野菜は、目と味で楽しめるイタリア野菜を中心に育て、産直でも人気となっている。

渥美半島のお茶「渥美茶」の存在

渥美半島は太平洋に面し、温暖な気候であることから、近年は野菜や花の栽培において農業大国として全国でも知られている。その中、渥美半島では昔からお茶の栽培が盛んで「渥美茶」として知られていたが、現在は2軒。その1軒が野田町にある田原市自園銘茶河合製茶工場。ここ野田町は北側の山を背に、南側から太陽をたっぷりと浴びることができ、土壌もお茶の栽培に適した赤土が広がり、以前はこの辺りでも何軒もの生産者が栽培をしていたそう。
河合製茶工場は現在二代目である河合茂幸さんと陽子さん夫妻が主に受け継ぎ、先代と共に栽培から摘み取り、加工・仕上げまで、家族による一貫生産を行っている。
しかし、お茶の需要低迷の流れもあり、お茶だけでなく、10年程前よりキャベツなど畑の農産物の出荷も始めた。

アイデアと工夫で乗り越える

お茶農家の妻として知多から嫁いだ陽子さん。陽子さんの実家は知多の特産でもあるタマネギを栽培する兼業農家。農家ながらお茶は全くの別世界で、最初は大変だったそう。栽培手入れはほぼ1年を通じて行い、4~5月にかけて摘み取りと加工となり、その日に摘み取った茶葉はその日に加工しなくてはならないため休みなしのフル稼働。
しかし、ペットボトル茶の登場や急須のない家庭が増え家庭でお茶を飲まなくなったことや、東日本大震災以降茶葉の売れ行きが減った。そこで手軽に飲めるパック茶や粉末茶の製造を始めた。また5年前より、べにふうきなど紅茶の製造にも踏み切ったほか、地元のイチゴやレモン、自家栽培したローゼルを使った紅茶のフレバーティーを完成することができた。すそ野を広げたことで新しい分野も見えた。

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お茶、野菜、地産地消とこれから

「野菜の栽培は、実家から送られてきたペコロスやサボイキャベツなど、イタリア野菜が美味しかったことをきっかけに、自分もおいしい野菜を作りたくなって挑戦した。冬はサボイキャベツやプチヴェール、芽キャベツなど、夏は白ナスやズッキーニなどを作っています」と陽子さん。見かけない野菜を作っている姿を見た周りの方から「こうしてみたら…」声をかけられることも多いそう。
「お茶も野菜も手をかけないとおいしいものはできない。子どもと一緒。今後はお茶をもっと家庭で飲んでもらえるようにしたい。野菜も一度食べてもらい野菜の味を知ってもらいたいです。ここから地産地消の良さも発信していきたい」と空っ風吹く畑を見渡す陽子さんは語る。
【編集】お茶畑一町歩、野菜畑一町歩の二足の草鞋で、毎日汗を流すご夫婦。お茶も野菜も愛情いっぱいなんです。

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