2019年12月 旬のしずく~地産地消推進隊~

syun_topbar新たな栽培システムで
地元に愛されるトマトをつくる

現在、豊橋だけでなく東三河でもミニトマト市場も大きくなってきた中、差別化していくために出会った栽培システムや取り組みなど、伴さんにお聞きした。

アイスタイルデザイン,地産地消,季節誌しずく,豊橋サラダ,ミニトマト,ばん農園,伴長則■豊橋市/
ばん農園 伴 長則さん

愛知県でもまだ3軒のフィルム栽培に5年前に着手。栽培施設を最大限に活かし、甘みだけでなく、旨みのあるフルティカをいかに高品質のレベルで作り続けられるかを追及し勉強をかかさない。毎日、樹や葉の具合を観察し、天候によるトマトのツヤや葉の萎れるタイミングまで細かな変化を逃さない。

「ばん農園」農家の四代目として

畑や施設栽培のハウスが拡がる豊橋市老津町。その中の一軒に、コンテナの壁面にかわいいミニトマトの絵が描かれた看板がある。大きく「ばん農園」と書かれ、園主の伴長則さんのハウスが並ぶ。
伴さんは、愛知県立渥美農業高等学校を卒業後、代々農家だったことから四代目として農家を継ぐ。高校では鉢物を専攻し、学んだ知識と受け継がれる技術を活かし、就農後はナスを栽培。その後、平成元年からトマトの栽培を始めた。伴さんが栽培するトマトは、主に中玉トマトのフルティカとミニトマトのアイコ。豊橋市東七根町にあるJAあぐりパーク食彩村でも、フルティカは「ミディトマトBanトマト」の名で販売され、人気が高くリピーターも多い。11月から6月いっぱいまで出荷が続き、春先にピークを迎え、現在は地元のスーパーをはじめ、野菜宅配業者や産直に納品している。

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差別化を図るべく決断したこと

トマトの栽培を始めた当時はミニトマトの相場が高かったものの、長くは続かなかったそう。そこで伴さんは差別化をするため、栽培方法に目を向けた。そのなか、たまたま見ていたテレビで紹介されていた栽培方法「フィルム栽培システム」を知り、導入を決断する。
フィルム栽培システムのアイメック®栽培は、水と養分だけを通す無数のナノサイズの穴が開いた特殊なフィルムを使用。特殊フィルムや止水シートなどから成り立つ栽培ベッド、土壌、給液装置でできたシステム。供給された養液はフィルムに浸透し、トマトは供給された養液を求めてフィルム上に根を張る。フィルムを通じて給水制限することが可能なため、水分供給量を少なく栽培すると糖度が増すトマトの特性を利用。加え、伴さんによる養液供給のタイミングや日光の取り入れ方など、経験と技術によって丁寧に手掛けられる。

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トマトに大切なことそして伴さんの今後

完熟まで育てられたフルティカは、季節により糖度15度前後まで上がり、甘さはすっきりしていて果汁も多め、皮も薄いため幅広い年齢層に受け入れられている。「このシステムは収量よりも1粒1粒に甘みと旨みを込めれるため、しっかり活かせるように栽培している。難しいのは水管理。これが命です。驚かれるのは、樹が細く、葉も多く茂っていないこと。これは水を切って育てる環境が成り立っていることと思います」と伴さん。そして伴さんのトマトには赤くなる前の果実の肩にグリーンが強く出ている状態「グリーンベース」が見られる。これは実でも光合成を行っている状態で、しっかりと旨みを蓄えている証拠。
今後は作っているトマトすべてが地元で販売できるようにしたいため、地産地消は賛成と話す。
【編集】水の管理で最高の状態を作り出しているハウス内の風景に本当に驚きました。

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