2014年9月 旬のしずく~地産地消推進隊~

2014年6月 旬のしずく~地産地消推進隊~

syun_topbar科学的視野で農業を・・・心優しき異端児

豊川市 菜園すコミニュケーション

菜園すコミュニケーション
大森 知道さん

愛知県豊川市

 

 

愛知県立豊橋東高校を卒業し、北里大学水産学部入学。在学中に縁あって編入、東大農学部学部外研究生卒業という学歴をもつ。卒業後はペット関連商社に就職。その後、養鰻会社に転職し、その傍らで同僚の作る野菜栽培を見よう見まねの野菜づくりを始め、育てる楽しさに出会う。


豊川市の本宮山が見渡せる場所に広がる大森さんの畑。お客さんへ発送される野菜たちは手塩にかけて大切に育てた子どもたち。人とは一味も二味も違う、さまざまな経験を活かした野菜作りにこだわる大森さんに話を聞いた。

水から土の仕事へ…異色の職業遍歴

大学卒業後、一度転職し、次に勤めた養鰻会社は、就業時間が変則で、空いた日中時は仮眠をとるなど自由な時間があった。そこで大森さんはこの時間を利用、水ではなく土を相手とする野菜づくりを始めた。振り返れば、今の原点とも言えるきっかけの時間だった。地元に戻り、1997年、27才の時に就農。当初は農地を借りるにもひと苦労。そんなもどかしい悔しさをバネに「ネット販売」を中心に実績を積み上げ農地を広げ、時には「これだけ作れるようになった。農地を貸してほしい。」と直談判にも行ったそう。こうして現在は、北にそびえる本宮山の恵みをたっぷりと受ける自慢の畑をいくつも所有している。「自分は育てるという包む環境や考え方、管理など大きな意味で土と水も同じと思っている。」と話す。学生~会社員時代に学んだこと全てが、現在の栽培方法やスタイル、モノの見方の基本となっている。
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我流の無農薬、無化学肥料、不耕起栽培

農法は無農薬、無化学肥料、不耕起栽培で手掛け、全てが我流。年間通じて約150品目を栽培し、多品目少量生産。始めた当初からセット品のネット販売を主に、電話等で注文を受けている。そんな注文時の会話をお客様の情報源として大切にしていると語る。「セット品でも、何気ない会話からそれぞれのご家庭の人数や年齢を知り、その時にマッチングする野菜を畑から収穫します。作り手である僕と、食べてくれる人がいつも近くに感じてもらえることが理想的。心意気や気持ちも届けたい。」と、食べる人を想像しながら野菜を選び、送り出す、大森さんの配慮はとてもあたたかい。
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大森さんの考える地産地消

「この子たちがね…」と野菜のことを「子ども」と言い、購入種から苗に育つ時は特に大切に育てる。苗床から畑へ移ると、そこからは自由を与える。まるで人間の子どもを育てて会話をしているかのよう。そんな野菜たちからは愛情に満ちた強い生命力を感じる。反対に、必要な時期にちゃんとした量を収穫できるよう、毎日の管理と緻密な計算もかかさない。「この大地があるからこそ可能。自然に逆らわない季節にあった新鮮な野菜を届けたいし、地産地消の展開も今後広めていきたい。自然との闘いもあるから、野菜づくりは本当に難しい。でもそこが楽しんだよね。」と大森さんは熱く話してくれた。
【編集】学歴・職歴・金髪・・・異端児としてこれからはもっと豊川の農業に嵐を巻き起こしてほしいです!
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