2013年12月 旬のしずく~地産地消推進隊~

syun_topbar背中を追わない、追わせない。河合流ニッチへのこだわり。

豊橋「河合さん」河合竹男さん

「人の作らないものを作る」「人のやらないことをやる」がこだわり。少量多品目で珍しい野菜を主に栽培し、ニッチな市場を作り出している河合さんに話を聞いた。


会社員として働く傍ら、もともと田舎の出で少し携わっていた経験を生かし併用して農業を始める。地元の産直に少しずつ卸していたが、少しずつ広げていき約10年前に本格的に農業一筋となる。田原と豊橋に畑を持ち、日々往復しながら栽培から出荷まで全てを一人でこなす。

 

変な野菜専門の河合さん?

産直仲間から「変な野菜専門の河合さん」と呼ばれる河合さん。その名の通り、河合さんの野菜は、見たことのない野菜や名前は聞いたことあるけど…?っといった変り種の珍しい野菜ばかり。河合さんのポリシーは、『あまり人の作らないものを作ること。』常に市場に目を向け、気になった野菜はすぐにインターネットなどで調べ、実際に栽培、試行錯誤しながら自慢の野菜を作り出すスタイル。一人ではたくさんの量を作れないため少量多品目で、今までに約100近い野菜に挑戦し、珍しくて安全でおいしい野菜を提供している。しかし、そんな珍しい野菜には疑問がつきもの。お客さんのため、店頭POPで野菜について解説したり、野菜に下準備や調理方法が書かれた手作りシールが貼られたりと調理まで考えた細かい心遣いを感じることができる。そんな努力もあってか実はファンも多い。なんと朝一番に珍しい野菜専門のバイヤーがお目当てを買付けに来るほど。やはり「変わり者」は注目されるのである。

豊橋「河合竹男」豊橋「河合竹男」豊橋「河合竹男」

とにかく試してみるバイタリティ

冬は定番のカリフラワーが登場。ここでも河合さんは白でなく、緑、オレンジ、紫、ロマネスコの4種類を栽培する。彩りが鮮やかで料理が映えるからと、遠方のレストランからも声がかかるそう。サボイキャベツ、インカのひとみやノーザンルビーといった各種のじゃがいも、みどり、紅、紅心、黒、赤い大根、フェンネル、アピオス、プチベール、アンティチョーク、ビーツ、黄色いにんじんなど手掛ける野菜は現在、自身がキャパオーバーしない範囲で選び抜いたもの。夏に挑戦した細長いトランペットカボチャやバターナッツは独自の栽培方法で、きれいでおいしくでき人気だったそう。全てが独学、作りながら学び、作物の状態を常に管理、苦労しつつも大きさなども最適な状態で出荷できることが何よりの喜びと語る。

豊橋「河合竹男」豊橋「河合竹男」豊橋「河合竹男」

河合さん独自のニッチな地産地消

地産地消は賛成だが、珍しいものは原価コストもかかるのが現状。それでも努力に見合った価格で取引できるとうれしい。市場の流れや気候によって時期をずらし栽培することができる技術と市場推察、ニーズに応えられる対応力は、河合さんの培った経験に裏打ちされた実現力と判断力と言える。同じ野菜が多く出回る兆候があれば、軌道に乗り始めた1、2年でも作るのを止め、次の新しい野菜に変えていくそう。挑戦する強い気持ちが新しい市場を作るのだと感じる。「独自の提案し続けられるのは、毎日楽しんでやっているから」と河合さんは笑顔で語った。

【編集】初めてみる野菜の数々に驚きと感動の連続でした。珍しい物好きの変わり者の私にはたまらない出会いでした。

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