2012年6月 旬のしずく~地産地消推進隊~

syun_topbar順応ではなく対応力 尽きないバイタリティ

河辺泰章さん~地産地消推進隊~河辺農園 河辺泰章さん

愛知県田原市
サンテパルクたはら、道の駅 田原めっくんはうす、くくむガーデン、あぐりパーク(食彩村)、ホテルアークリッシュ、マックスバリュ(順不同)で味わうことができる。

農業高校卒業後、種会社の研修を受け就農。夏はスイカとメロン、冬はセロリとキャベツを収穫していたが、家族で営む農園の両親の負担も考え、心機一転、アスパラガス栽培への挑戦を始める。現在も次々と新しい挑戦を続けている。


スイカ・メロン・セロリ・キャベツからアスパラガスへの転進を苦労しながらも実現させた河辺農園の河辺さん。適応を求められる時代の中、与えられた環境に順応するのではなく、あえてチャレンジによって対応していく原動力とこれからの挑戦について聞いた。

地産地消の思い

アスパラガスはメキシコなどからの輸入が7割、国内産の3割が北海道、長野、九州。そんなアスパラガスに取り組んだ動機は「まだこの辺りではあまり栽培されていなかったこと。1度植えると最低5年は収穫可能。3月から10月の8ヶ月間収穫できるスタイルが農園に合っている」と考えたから。また、家族で営む農園、両親への配慮もあり決断したという。
「地産地消は実践すべき。地場のものは地元で食べて欲しいし、消費者のためにもなると思う。輸送日数が少ない地元のアスパラガスを地元の方へ。アミノ酸の多い旨みと甘さ、本当の味を、是非食べてもらいたい。」産直などで河辺さん自身が対面販売や試食を勧めたりするのはこのおいしさを実感してもらうため。そんな熱意あるバイタリティこそ、河辺さんの情熱そのものだと感じる。「おすすめの食べ方は、天ぷら。おいしさをそのまま味わえる1本揚げをぜひ。」と河辺さん。

アウパラガスハウス内の管理~地産地消推進隊~背丈以上に伸びているアスパラガスの苗~地産地消推進隊~紫色のアスパラも鮮やか~地産地消推進隊~

栽培と販売、今できる前向きな取り組み

アスパラガスとの出会いは、肥料会社に勤める友人から聞いた話から。そんなアスパラガス栽培への移行も簡単ではなかった。スイカやメロンを栽培していた土壌は、分析をすると栄養のバランスを大きく崩していた。そんな畑をアスパラガスの土壌に作り変えるために使った堆肥は、10a約50tに及んだという。そんな土壌での栽培も今年で6年目、現在の土は魚類のしぼりカスや窒素系統の菌を抑える有機資材が主。もちろん減農薬にも取り組む。有機栽培にこだわる理由は「化成肥料を使うより植物は病気をしない。虫が少なく、根も傷めない。」から。
品種はスーパーウェルカム、直径約18ミリ、一晩で3~4センチ成長し、約30センチで収穫。筋っぽさがなく、えぐみが少ないのが特徴で、驚きは収穫されてから半日くらいまでなら生で食べれること。そんな河辺さんの朝採りされたみずみずしいアスパラガスは、道の駅などの産直、レストラン等にほぼ毎日届けられる。また、NFT農法で水耕栽培された人気のサンチュ、イタリアンパセリ、クレソンなども、年間を通し、新鮮なまま店頭に並ぶ。

葉先はとってもこまかいアスパラガス~地産地消推進隊~ふかふかの土壌は有機資材などのブレンド~地産地消推進隊~緑鮮やかなスーパーウェルカム~地産地消推進隊~

河辺さんが思うこれから・・・

「水耕栽培は無農薬で栽培しているので現状、年間を通してアスパラガスの農薬は他県より少ないが、アスパラガスも無農薬で栽培したい。難しいかもしれないが、天敵栽培など挑戦していきたい。自信あるものをこれからも作っていきたい。」と次なる挑戦に向かう河辺さんの笑顔に強い志を感じた。
【編集】ポキッと折った瞬間に溢れ出た水分の多さ、初めて生で食べたアスパラガスの味!と驚きの連続でした。

スーパーウェルカムという品種~地産地消推進隊~皮の薄さが自慢!~地産地消推進隊~サンチュの水耕栽培も行っている~地産地消推進隊~

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