2019年9月掲載「豊橋市/アグリトリオ」

季節誌しずく~地産地消の小さな流れをご紹介

農業大国の問題をビジネスで耕す

地元企業だからできる新しいマッチングビジネス

武蔵精密工業株式会社の新規事業プロジェクト「農How」の共同創業者の一人。発足時に3人だったことと、アグリカルチャーの「アグリ」を合わせて「アグリトリオ」と名付けた。

新規事業プロジェクト発掘

豊橋市にある武蔵精密工業株式会社といえば、自動車、汎用機械等の部品を主力に製造販売事業80年の歴史を持ち、世界に向けた自動車業界を支える企業。一方、近年の環境に配慮した動きから電気自動車の普及が進み始め、今までの部品の需要が減少。そこで将来の業界を考えた末、自動車以外の分野で新規事業のプロジェクトを社内でチーム公募をすることを決定。2017年9月、12人がチームに分かれ、さまざまな条件の中でアイデアを駆使したプロジェクトを考え、社内プレゼンテーションを行うこととなった。

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「アグリトリオ」誕生

石川さんのチームは、福祉関連事業を進めていく中、さまざまな壁が多く一時断念。その後、東三河や遠州は農業が強いことに気づく。そこで生産者を含め約70人にヒヤリングを行い、現場の生の声を拾った。集計をすると、人手不足、重機や機械の不足、販路などが浮き彫りとなり、最終的に人手不足の問題に着眼点を絞り、解決できる事業プランをチームで立て発表を行った。結果は次点。新規事業としては認められなかったが、石川さんたちが伝え続けた熱い想いと、プランのアイデアと面白さの魅力が会社に伝わり認められることとなった。また東三河を基盤に展開できるサービスだからという強みも「アグリトリオ」を誕生することができた。

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「農How」今とこれから

アグリトリオは「農業の魅力を伝え地域を活性化 農How」を立ち上げた。「個人と農家をつなぐプラットフォーム」として、空いた時間に農場で働くといった1日単位から働くことができるマッチングサービス事業。各農家専用の特化マニュアルを、誰でも分かる静止画と動画でマニュアル化。また、サイトで作業時間や場所など仕事検索ができる。働き手は自分に合わせた仕事を見つけられ、生産者は繁忙期などに人手を確保することができる。「自分たちも農業は初めてだからこそいろいろ見えてきたものもあった。今後は福祉事業所と生産者のマッチングも実現させたい。地域を盛り上げ、社会問題を解決して、農業大国である東三河から発信したい」と石川さんの想いは熱い。今の時代や状況にあったサービスを開発し、個人と生産者を結んでいく。


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石川 浩之さん

●武蔵精密工業株式会社 アグリトリオ
●豊橋市駅前大通一丁目135番地
ココラアベニュー3F COCOLA AVENUE-3F
●TEL:0532-25-8111(代表) 090-9819-4617(直通)