2017年6月掲載「新城市/つぐや」

季節誌しずく~地産地消の小さな流れをご紹介

奥三河・津具の手作り五平餅

みんなの力でできた1本から伝えたい

北設楽郡設楽町津具でシクラメン栽培をする傍ら、新東名新城ICの近く「もっくる新城」に店を構え、奥三河地域の名物として知られる五平餅を販売している。

五平餅を作るきっかけ

北設楽郡設楽町津具は標高1,000mの山々に囲まれた高原。米の栽培が盛んで、奥三河地方ではこのお米で作られる五平餅が名物として知られている。地域や家庭によって作り方や形、たれの味などが異なり、それぞれの味わいがある。
茶臼山スキー場ができた約30年前、スキー場に訪れる人数が多く、食事ができない人たちがいると聞き「五平餅を食べてもらおう」と、村松さんの両親をはじめ有志が集まり「五平餅」が事業として立ち上がった。当時はバスを改造した移動販売車を作り、スキー場をはじめ、さまざまな場所に出向き販売をしていた。

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突然の大きな転機

その後、残った当時のメンバーなどが製造を行い、村松さんがイベントやお祭りを中心に販売で各地域を回った。
2014年12月末頃、大きな転機となる2015年3月オープンの「もっくる新城」現駅長を務める田原さんから「五平餅の店を出してほしい」と出店の声がかかった。出店準備など日数的なこともあり家族に相談。すると娘さんが「断る理由ないじゃん」と一言。この一言に背中を押され、出店を決断したそう。お米や櫛など材料の確保、設備や店舗作りと課題は山積みだったが、親戚や知り合いを辿り、なんとかオープンにこぎつけた。

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つぐやオリジナル手作り五平餅

お米は津具で村松さんが栽培した「チヨニシキ」を使用、くるみだれはつぐや手作りのオリジナル、奥三河の木を使った専用の櫛。炭火でじっくりと焼かれた五平餅は、小さな子どもから年配者まで広い世代に好評で、あっという間にもっくる新城の名物になった。また、田原駅長と共に通常サイズ12本分に相当する90センチの特大五平餅を考案。珍しさとインパクトでメディアにも数多く取り上げられるほど。「みんなで1本1本丁寧に作っています。奥三河に来てもらうきっかけにもなりたい」と村松さん家族全員の愛情のこもった五平餅が出迎えてくれる。


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 代表  村松 憲治さん・三枝子さん

●つぐや(もっくる新城内) 新城市八束穂五反田329-7
●年中無休
●営業時間:9:00~18:00
●TEL(0536)24-3005(もっくる新城)