強い決意と優しい気持ちが
届ける太陽の恵み
■ムラカミトマトファーム
村上 広貴さん
豊橋市西山町
農家の三代目を継ぎミニトマトの栽培に至るまで、今までの人脈もあってここまで辿りつけた。近年の気候変動にも対応できる環境や設備が有利となり、栽培の力となっている。Instagram：@murakamitomato
「太陽の光」を大切に、立地も活かしたハウス栽培でミニトマトを栽培している村上さんに話を聞いた。
想いのどこかに「農業」があった
遮るものがなく太陽をしっかりと浴びることができる平地が広がる豊橋市西山町。この地で農家の三代目としてミニトマトを栽培しているムラカミトマトファームの村上広貴さん。祖父母の時代に長野県から西山町に移り住み、当時は養鶏や梨栽培を行い、二代目のお父さんはJA職員を経て就農しピーマンなどを栽培していたそう。村上さんが高校生の時、お父さんが他界、その後を受け継いだお母さんがハーブやサンチュなど手掛けていた。
村上さんは高校・大学と弓道一筋。卒業した当時は先のことはあまり考えずいたが、頭の片隅にはやはり「農業」があった。就職活動中に、東京で内定をもらうも、地元に戻り種苗会社に就職することとなった。ハウス資材や種を売る営業職で田原方面をまわり、物の考え方や資材を勉強しながら働き、30歳を目前に将来のことを考えるようになる。
農家になる決心でミニトマト栽培の道へ
29歳の誕生日、村上さんはお母さんと奥さんに「農家やるわ」と決心を告げた。すべてはここからスタートした。栽培する品目の中に、ミニトマト・大玉トマト・キャベツがあった。キャベツは畑面積の関係で断念、会社員時代に赤羽根方面を担当していたことからトマト栽培の世界が何となく分かっていたため、ミニトマトに決めた。退社後はミニトマト農家へ研修、同時にハウスを建設し、平成28年2月に就農。7月中に定植し、9月頃から12月頃までレギュラー品（奨励品種）を栽培、以降6月頃まで豊橋の高糖度ブランド「美」を栽培する。「安定しておいしいものを作ること、年内にはしっかりと糖度を上げること」を目標に掲げ、実現しているのは天井の高いハウスと最先端設備と村上さんの技術。暑さや換気など制御がしやすいため、年明けではなく早い時期から高糖度にできるそう。
村上さんのこれからと地産地消
就農５年目の時にミニトマト部会部会長を経験。自分だけでなく、部会全体の将来を考え、レギュラー品の品種変更を実施。自身も時代やニーズ、気候変動に合わせていくことが必要だと思い、ブランド「あぽろん」を立ち上げた。ギリシャ神話で太陽の神様を意味し「しっかりと太陽を当てること」に重きをおいている。
地産地消について「地元スーパーにも卸し、自ら試食販売し人と話して伝える事を大切にしている」と話す。また、SNSアプリ「クラブハウス」で全国の農家と繋がり、悩みや相談なども参加し、モチベーションも高める。栽培だけでなく、作り手としてできる新たな道に挑戦し続けている村上さん。おいしいミニトマトを届けるために、今日も作業に力が入る。
【編集】村上さんの優しさと決意の強さが込められたミニトマト。ファンが多いのも納得！
