2014年9月しずくTimes その2 ~東三河のちいさな地産地消~

季節誌しずく~地産地消の小さな流れをご紹介

豊橋百儂人の名のもとに

それぞれの道を究め続ける「儂」集団

豊橋百儂人とは

現在、豊橋を中心とした農業・畜産の経営者と事務局15人のメンバーからなるプロ集団、「豊橋百儂人」。河合果樹園・河合浩樹さんのアイデアが発足のきっかけとなり、2009年6月に発足し今年で設立5周年を迎える。その百儂人の活動の中で最も特徴的なのが自己啓発と目標設定のために年2回行う「百儂人ランキング」。6つの分野から成り立ち、「農業の匠」といった生業を精進することはもちろん、「消費者との絆作り」「改革精神」「郷土愛」「情報発信」など165項目にも及ぶ自己採点とサポーターの客観的評価からポイントで順位が決まり、ホームページなどに公表される。百儂人の構成は1品目1人ということで年齢的なものは多少はあるが基本的に上下関係はなく、それぞれに対し一目置きながら緊張感のある関係性の中で、一年間に1つは目標を立て、その実現に向け活動を共にしているという。「それぞれ自分を持ち芯のある人たちの集まった集団。意見の対立や相違は確かにあるが『議論の活発でない集団の一部の意見で決まってしまうような会議』と比べたら決に時間がかかるものの、全員が責任や考えを持ち、意見交換できる現状は素晴らしいと思うのです。」と事務局長の清水さんは話す。

豊橋百儂人

豊橋百儂人という集団

それぞれが農のプロであり、経営者であることもあって有機農業を実践する人もあれば、そうでない人もいるようにそれぞれの方向性も目指すところも違う。ただ信念として『この地域のために』があり、一緒に集まりそれぞれができることを、最小公倍数からスタートした。年齢も30歳近い差があるが、お互いに作っているものが違うから存在価値を認め合っている。個人の沸騰している力に、電力を与えて1つになる新たなカタチが「豊橋百儂人スタイル」ではないかと感じられた。そして次の代に伝えていくことが、自分も芯の姿になれる。

豊橋百儂人豊橋百儂人豊橋百儂人

儂人道とこれからの役目

様々な百儂人のイベントなどの周知活動はネットを通じ見られる。儂人がそれぞれの生産物のかぶりものをし、話したり歌ったりしている。一見、ふざけているようにもうつる。しかし「やっていることは真面目なんです。」と清水さんは笑顔で強調する。もちろんこういったイベントは認知度を上げるため、しかし、根底には『この地域のために』という思いがあるから。この地で培ってきた偉大な先人達の伝統やこれから革新的に進んでいくための礎となるべく恒に努力し続けていく真の農業者、食農の道を極める「儂人道」の一環なのだという。豊橋百儂人はこの地域の安心、安全かつ美味しい生産物を一生産者として作り、また、買い支える一消費者として道しるべとなるべく独自の方法で道を切り開いてくのだと感じた。己を律し、他を巻き込む百儂人の活躍、今後も注目を集めそうだ。


豊橋百儂人「都デザイン」豊橋百儂人事務局長(黒子儂人)
清水 貴裕さん

株式会社都デザイン代表取締役。豊橋百儂人事務局の立場から、これからの食と農について独自のビジョンを持つ。

●豊橋百儂人事務局(株式会社都デザイン内) 豊橋市西幸町字浜池333-9 豊橋サイエンスコア308
●TEL(0532)48-5980