2016年6月 旬のしずく~地産地消推進隊~

syun_topbar「地の利」「知の力」最大限に
太平洋を臨むハウス

 甘くておいしいみかんを求め、コンピュータと自分の目で、常にみかんと向き合い育てる小林さんに話を聞いた。

田原市 小林農園(季節誌しずく)小林農園 小林和吉・純子さん

田原市
田原市でも少なくなってきた数少ないみかん農家。温室みかんは皮が薄くとてもデリケートで、神経を使う作業の毎日だが、他にはないおいしさを追及したみかんを伝えたいと、管理と研究を続けている。

 

60年以上続く、代々農家として…

田原市街にほど近く、太平洋を南側に望む小高い西神戸町。この地で、代々60年以上みかんや野菜を栽培し続けている小林農園。6月頃から8月中旬頃まで、本格的に出荷が始まるのが、温室みかん。梅雨時期や夏に冷やして食べるみかんとして、お中元などの贈答品としても人気が高い。
和吉さんは、高校卒業後、家業の農家を手伝いながら、キャベツやセロリ、ブロッコリーなど葉菜を中心に栽培していた。露地のみかん畑はあったものの、傾斜という土地柄と、ある程度、収入が安定する農業をしたいと、ハウスを使ったみかん栽培を本格的に始めることになった。「当時は今よりみかん農家も多く、周りに教えてくれる人がいて恵まれていた。」と和吉さん。妻の純子さんは、勤めに出ていたが、3年前に退職。以来、夫婦二人三脚が始まり、新しく小林農園をスタートさせた。

田原市 小林農園(季節誌しずく)田原市 小林農園(季節誌しずく)田原市 小林農園(季節誌しずく)

小林さんが作り出す甘いみかん

小高い場所に位置するハウスの土壌は赤土。土づくりには特にこだわり「わら、海藻、有機肥料、完熟堆肥」などをたっぷり使う。こうすることでミネラル豊富で、微生物も活発に繁殖し、抵抗力のある土壌となる。さらに空気を含ませるため土壌を掘り起こすので畑の土はふわっとやわらかい。また、傾斜のおかげで水はけがよく、水のコントロールもしやすい。最も大切な温度管理は、監視システムを導入。「温度、湿度、炭酸ガス濃度」を測定、常に、数値やグラフで確認できるデータの管理を行っている。勿論、長年培った小林さん自身の目で常に観察をすることは怠らない。「実際の木や葉の状態を細かく見ることで、虫や病気の発見や異常をいち早く処置できる。」と話す。

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小林さんが思う地産地消とこれから

「この辺りは農業大国だから、地産地消が生活になじんでいる。産直などで手にとってもらえたらうれしい。これからは年間通じてみかんが採れるようにしたい。」と力強い和吉さん。「『味が濃い!こくがある、美味しくて感動した。』のお客様からの声がよく届く。その感動を是非地元の方にも味わってほしい。地元のスーパーや直売所、ネット販売も並行していきたい。」と販売でも更なる二人三脚を目指す。剪定、摘果、枝吊り、草取り、水と温度管理など、日々の徹底した管理で手塩にかけて育てた温室みかんは、今が収穫の真っ最中、8月始め頃まで続く。
【編集】皮が薄く、適度な酸味が甘みを引き立て、濃い果汁がたっぷり。これからの季節にぴったりです。

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