2014年3月 旬のしずく~地産地消推進隊~

syun_topbar農業と食への飽くなき探究心 終りなき楽しむ農業

豊橋「ナガタ農園」ナガタ農園
永田 晴敬さん

愛知県豊橋市

屋根瓦の生産・販売・施工を専業としていたが、現在は施工の傍ら、陶芸教室、オリジナル堆肥販売、たもぎ茸の生産をしている。もともと健康志向が高く、健康にまつわる様々な情報に関心を寄せている。


試行錯誤の中、菌床栽培に成功。「黄金たもぎ茸」として販売され、独特の食感やおいしさ、健康面でも注目を浴びている。そんな幻のきのこについて話を聞いた。

幻のきのこを街中で栽培

ナガタ農園は豊橋の中心街、向山町にある。永田さんは、健康に関することに興味があり、独学で勉強するほど。マクロビオティックで用いられる陰と陽の関係や、食べ合わせなど様々な食に関する知識は相当なもの。以前より父親と有機農業をやりたいと話をしていて、農業をスタートさせた。基礎である土壌作りからと堆肥作り始めた頃、たもぎ茸に出会う。きっかけは知り合いの「おもしろいきのこがあるよ。」の一言。瓦屋根工場の敷地の一角を利用し、専用の施設を作り、当初はきのこ組合の方々のアドバイスや指導を受け、試行錯誤しながらほぼ独学で現在に至る。菌床栽培生産し始め、約2年半。人工栽培が難しいとされるたもぎ茸、実はとても栄養が豊富でビタミンEの7000倍の抗酸化物質(エルゴチオネイン)を含有している。また、糖尿病の食事療法に最適な「秘密のパワーを持つきのこ」としても注目される。

ナガタ農園「黄金たもぎ茸」ナガタ農園「黄金たもぎ茸」ナガタ農園「黄金たもぎ茸」

デリケートで美しいきのこ

黄金たもぎ茸(和名タモギタケ)は、東北や北海道地域の初夏の山間でしか自生しないため、全国的に見ても希少で珍しい「きのこ」とされている。もちろん東三河では、ほとんど目にしない。そんな貴重なきのこを永田さんのたもぎ茸専用施設では現在400~500菌床を栽培、湿度90%、温度20~23℃に管理され、24時間空調管理がされている。とてもデリケートなたもぎ茸。暑さで菌が死んでしまったり、酸欠を起こさないようにと、常に表情を見て管理しなければならない。鮮やかな黄色から名付けた「黄金たもぎ茸」。栽培には人工的な照明が必要。光があることで眩しいほどのとても美しい黄色になる。

ナガタ農園「黄金たもぎ茸」天ぷらナガタ農園「黄金たもぎ茸」ナガタ農園「黄金たもぎ茸」吸い物

永田さんが思うこれから…・・

地産地消は必要なこと。作物の採れない地域からみれば、この地域は恵まれている地域だからこそ、その土地にできたものを食べて身になる大切さは伝えたい。栽培に関しては、おがこや米ぬか、ふすまで作られた菌床を現在は購入している。いずれは研究を重ね、たもぎ茸にあったオリジナル菌床を作りたい。認知はされ始めているがまだ馴染みが薄い。様々な面で課題も多いので「乾燥品や粉末」加工品などにして、手軽に食べてもらえるようにと試作中。「ここ数年、栽培し食べていて風邪を引いてないのはきのこのおかげかな?」っと控えめな笑顔で語っていた。
【編集】おすすめの天ぷらの美味しさに驚き。美しさだけでなく旨みも光っていました。

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