2012年12月 旬のしずく~地産地消推進隊~

syun_topbar目標は父選んだ栽培法と野菜で人を笑顔に・・・

伊藤嘉則さん~地産地消推進隊~伊藤嘉則さん

愛知県豊橋市

大学卒業後、種苗会社へ入社。その後、実家の農業を継ぎ8年、ミネラル栽培を始めて4年が経つ。日本全国の野菜の種の知識を糧に、この土地にあったもの、新しいものを常に追い求めている。家族が食べても安心なもの、おいしいと言ってくれるものを作るがモットー。


土壌は500メートル離れただけで変化すると言われ、植え方や管理の仕方が違う。そんなデリケートさに魅力とやりがいを感じ、どんどん農業にはまっていった伊藤さん。就農8年、いつも目標とプライドを持ち続け、作物を育てる若き原動力について話を聞いた。

できる範囲での地産地消

伊藤さんは後継ぎとして三代目、それまでは種苗会社に勤めていた。その頃の経験や知識を元に、独自に取り入れた栽培方法が『ミネラル栽培』。管理されていない土壌は栄養バランスが崩れ、ミネラルが不足していることが多く、見かけは同じ出来でも、栄養価を分析して数値を見ると歴然に違い、味にも違いが出るという。
植え替え時期などには人間でいう血液検査にあたる土壌診断を行い、常に自分の畑の土壌を管理している。土壌検診を行うことで、足りない栄養素を把握でき、次の作付けに活かせることから、コストがかかっても欠かさず実施しているという。
「自分が作るミネラル栽培で地元の人によりいいものを届けれるようにと地産地消を心がけている。自分の子供が通う保育園の給食食材で野菜を卸したり、野菜クイズ講話など食育活動もやったりしています。」と笑顔で語る。

寒さが入るとさらに甘くなるスイートキャベツ~地産地消推進隊~自慢のスイートキャベツ畑~地産地消推進隊~柔らかくて甘いのが特徴のスイートキャベツ~地産地消推進隊~

持っている知識を最大限に活かし実行する
町並み見えるブロッコリー畑~地産地消推進隊~ベネルという品種のブロッコリー~地産地消推進隊~耐寒性に強いベルネブロッコリー~地産地消推進隊~

種苗会社に勤めていたことで、種や農業の基本的な知識を持ち、メーカーとタイアップできることもあり、毎年同じ野菜でも新しい違う品種への挑戦や、自分なりの目標を立てられている。挑戦しながら、知識を活かし、本当においしい時期や喜ばれる時期などタイミング、気候や温度に至るまで先を考えて取組み、勉強は欠かさない。そして、最低限で 使う農薬や加える肥料のデータ管理、作物の生育状況、害虫観察なども大切にしている。害虫予防、作物生育状態、品種によっても土壌にもいい、安全で最良の農薬の組み合わせを見つけ出し、その中でも極力減らす栽培環境の実現のためにも数字の管理は重要と語る。

 

伊藤さんが思うこれから・・・

「今後は生産者と消費者の隔たりをなくしたり、距離感を感じない関係を構築したい。また幼い頃から野菜に興味をもてるように食育に関しても積極的に取り組みたい。現在も農家の育成も行っており、意欲的な人に研修を受けやすい環境作りも、まだまだこれからの課題。」と伊藤さんの意欲は尽きることがない。お客さんの「おいしかったよ」の一言、バイヤーさんの評価にしっかり応え、「ライバルでもあり尊敬する父を超えたいと心のどこかにいつもあります。自分を奮い立たせてます!」と力強い言葉が印象的でした。
【編集】畑に実る数々の野菜で畑全体がピカピカ!土壌の力強さを感じました。自慢の野菜から元気をもらいました。

ぐんと丈の高いなべちゃん葱甘みが強くは先まで柔らかいなべちゃん葱~地産地消推進隊~レタスも手がける~地産地消推進隊~

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