2012年9月 旬のしずく~地産地消推進隊~


syun_topbar
人とは違うものを・・・原動力は「好奇心と探究心」

morishita3森下農園 森下和茂さん

愛知県田原市

先代から続くハウスみかんから徐々にドラゴンフルーツへと移行し、現在に至る。人とは違うものを作ることが楽しみで非常に研究熱心。マンゴー、ブルーベリー、ミラクルフルーツなどの栽培を行う。すべて成功するわけではないが、失敗にも収穫はあると次への挑戦をのぞかせた。


田原で「ドラゴンフルーツ」を栽培する森下農園。今でこそ少しメジャーになった名前、挑戦を始めたのは10年前。インターネットで目にするのも少なく、まだまだ知られていない存在に興味をそそられて栽培を開始。毎年、毎年、手探りと話す森下さんの好奇心と探究心の源についてお話を聞いた。

ドラゴンフルーツとの出会い

重油価格高騰が経費を圧迫しつつも、先代から続くハウスみかんを栽培を続けていた頃、父が行った香港のホテルのフルーツバスケットの中にあったことで「ドラゴンフルーツ」の存在を知る、これが今からちょうど10年程前、珍しい物を作りたい…そんな好奇心から、静岡県の生産者さんとメールのやりとりで勉強、苗を沖縄からネットで仕入れ定植。ハウスみかんからドラゴンフルーツのハウス栽培移行をスタートさせた。まず「どんな作物?」の原点から手探り状態。その間にも生産が盛んな沖縄、宮崎などへ足を運び、あらゆる情報を仕入れた。現在では、独自の茎の仕立て方や自然の力を利用する目的で根周りに選び抜いた草を植え湿度を保たせ、また害虫予防する方法など「経験や実験に勝る知識はないから、土地にあった自己流栽培方法を見つける。現在も試行錯誤の連続。毎年、毎年が勉強。」と森下さんは話す。}
完熟のドラゴンフルーツ~地産地消推進隊~月下美人と同じ夜咲きのドラゴンフルーツの花~地産地消推進隊~完熟前のドラゴンフルーツ~地産地消推進隊~

生産、販売・・・難しさも・・・

ドラゴンフルーツはサボテン科。果皮が竜のウロコにように見えるため名付けられた。現在、赤い果実=レッドピタヤと白い果実=ホワイトピタヤを栽培しているが、生産性や甘みが安定しているレッドピタヤを中心に無農薬にこだわり栽培している。果肉の赤色は「ベタシアニン」というポリフェノールの一種で強い抗酸化作用がある。また女性にはうれしい「お通じも良くなる。」と話す購入者もいるそう。実のもととなる花は、月下美人と同じ夜咲きで月の満ち欠けに関係、15日おきに開花、受粉作業は家族総出で夜に行う。この後、約35日かけて鮮やかなピンク色の実をつけ収穫となる。毎年繰り返すことでも花をつけさせる難しさ、肥料のやり方の難しさなど、作り方も未だに確立されたとは言えないという。ここ5年くらいでドラゴンフルーツの認知度も上がってきたが「食べ方、時期、保存方法」など購入時に添付するも、質問されることもしばしば。情報提供がまだ不十分。こういう新たな課題が、また次への「やりがい・意欲」となっている。
生命力を感じるサボテン科ドラゴンフルーツ~地産地消推進隊~ハウス内に驚く~地産地消推進隊~垂れ下がるドラゴンフルーツ~地産地消推進隊~

森下さんが思う地産地消・・・

地産地消は、鮮度の良い旬のものが食べてもらえるので賛同。反面、旬になると、同じものでも、手のかけ具合の違う商品でも、「商品の価格が低い方に揃う傾向」があることを経済面から懸念する。生産者が来年、また将来に向け、意欲の沸く価格設定基準が早く確立することを願う。
「味はさっぱりした甘さ、果肉はやわらかくサクサクした食感。とにかく、一度食べて下さい。」と森下さん。
【編集】南国ばりのハウス内の迫力!初めての果実の舌触りや食感味、すべてが新発見でした。

数字で管理されるドラゴンフルーツ~地産地消推進隊~ダイカンドラはハウス内の環境バロメーター~地産地消推進隊~色鮮やかなレッドピタヤ~地産地消推進隊~

【旬のしずく】のバックナンバーへ